USDTに最適なネットワークはどれ?TRC20・ERC20・BEP20の選び方

USDTに最適なネットワークはどれ?TRC20・ERC20・BEP20の選び方

2020年の初めを思い浮かべてください。仮想通貨市場は荒れ模様で価格は揺れ動いていましたが、そのなかで1つの名前が信頼を集めていきます。理由は値動きではなく、安定性でした。それがテザー(USDT)です。わずか数年で仮想通貨経済の要となり、今では毎日何十億もの取引に使われ、仮想通貨と法定通貨をつないでいます。この記事では、USDTにどのような規格があるのかを説明し、USDTに最適なネットワーク選びを後押しします。

重要なポイント

  • あらゆる大陸で5億人のユーザー:TetherのUSDTは仮想通貨時代の世界通貨となりました。
  • USDT TRC20は圧倒的な首位6,800万人27億件の送金が、日常的な取引の主役へと押し上げました。

USDTとは?

USDT(テザー)は、米ドルに連動する最大かつ最もよく知られたステーブルコインです。1USDTは常に1ドルと等しくなることを目指します。2014年にTether社によってローンチされ、同社の準備金に裏付けられているため、価値を損なうことなく手軽にトークンを交換できます。現在USDTは、ビットコイン、イーサリアムに次いで仮想通貨全体で3番目の規模にあり、時価総額は約1,720億ドルです。世界のUSDTユーザー数は5億人に迫り、貯蓄、送金、取引、日常の決済に使われています。ただし1つ注意点があります。USDTは単独で存在しているわけではありません。異なるブロックチェーン上で発行されており、選ぶネットワークによって取引手数料、送金速度、セキュリティが変わります。初心者にとっては、これが意外な落とし穴になりがちです。

ステーブルコインとは、価値が法定通貨(多くは米ドルやユーロ)や金などの資産に結び付けられた仮想通貨で、市場の変動にかかわらず価格が安定して保たれます。

USDTはどのブロックチェーンで利用できる?

現在、テザーは10を超えるネットワーク上で発行されています。よく知られているのは次のとおりです。

  • トロン

  • イーサリアム

  • ソラナ

  • BNB Chain

  • ポリゴン

  • アバランチ

  • NEAR

  • TON(The Open Network)

  • そのほか複数

USDTを送る際は、送金側と受取側のネットワークが一致していることが重要です。一致していないと送金が届かない場合があります。テザーの受け取りにどのネットワークを使うのか、相手に必ず確認しましょう。以下では、USDTで最も人気のあるネットワークを見ていきます。

USDTに最適なネットワーク

USDTが最もよく使われる主要な3つのブロックチェーンを見ていきます。それぞれに独自の利点と特徴があり、どれがUSDTに最適なネットワークかについては多くのユーザーの間で議論があります。

USDT TRC20:大量送金と使いやすさ

USDT TRC20は、トロンネットワーク上で動くTRC20規格のテザーです。人気に火がついたのは2017年、イーサリアムの手数料が高くなりすぎたころでした。トロンは高速でほぼ無料の送金を提供し、数百万人のユーザーを引きつけます。以下では、この規格の主なメリットとデメリットを見ていきます。

USDT TRC20のメリット

  • 幅広い普及:USDT TRC20は日常的に使われる一般的な手段になりました。買い物、家族への送金、取引、国際送金などで頼りにされています。その規模は圧巻で、保有者は6,800万を超え、取引件数は27億件以上にのぼります。これによりTRC20はUSDTの主要な規格となり、誰もが使い慣れた大衆的な仮想通貨決済の土台になっています。

  • 高速な送金:取引は平均して数秒で承認されます。たとえば友人やビジネスパートナーにUSDT TRC20を送れば、資金はほぼ瞬時に届きます。

USDT TRC20のデメリット

  • 手数料の上昇:トロンネットワークでは以前は送金コストが1ドル前後でしたが、TRXの価格上昇により、現在の手数料は4〜8ドルに達することがあります。そのためTRC20での送金は、以前よりも目に見えて高くなっています。

  • スワップの制約:USDT TRC20をほかのトークンと交換する際、イーサリアムやBNB Chainと比べて不便な場合があります。

TRXステーキングでUSDT TRC20の手数料を下げる方法

トロンネットワークでUSDTを送ろうとしたら、いきなり8ドルの手数料が表示される。決してうれしい驚きではありません。しかしトロンには解決策があります。エネルギーと帯域幅と呼ばれる特別なリソースの仕組みです。これらのリソースはTRXステーキングで獲得でき、手数料を支払う代わりに使えます。TRXをフリーズするとネットワークからエネルギーが付与され、取引の際に自動的に消費されます。ステーキングするTRXが多いほど得られるエネルギーも増え、手数料は下がり、場合によってはゼロにまでなります。特にトロンを日常的に使うなら、USDT TRC20の送金をより安く手軽にするシンプルな方法です。

トロンネットワーク上のUSDT保有者数 トロンネットワークにおけるUSDTの成長推移:保有者は6,800万超。出典:tronscan.org

USDT ERC20:セキュリティとDeFi

USDT ERC20は、イーサリアムのネットワーク上でERC20規格に沿って発行されるテザーです。USDTが最初に登場した場所であり、現在は800万を超えるユーザーがこのネットワークを選んでいます。イーサリアムはDeFiとスマートコントラクトの主要なプラットフォームであり続けており、それがUSDT ERC20の人気を特に高めています。

USDT ERC20のメリット

  • セキュリティ:イーサリアムは最も安全なネットワークの1つとされており、USDTを安定した信頼できるエコシステムで保管できます。

  • DeFiへのアクセス:イーサリアムは分散型金融とNFT市場の土台です。たとえばGem Walletなら、USDT ERC20を保管するだけでなく、ビットコインに投資したり、ATOMへスワップしてステーキングしたり、QRコード経由でAaveのようなDeFiプロトコルにUSDTを接続して追加の収益を得たりできます。

USDT ERC20のデメリット

  • ガス代の高さ:イーサリアムのガス代は、TONやソラナなどのネットワークと比べて従来から高めです。それでも平均的な取引手数料は通常1ドルを超えません。

  • 混雑時の遅延:同時に取引するユーザーが多いほど、承認に時間がかかることがあります。

USDT BEP20とUSDT SPL:高速で低コストな選択肢

USDT BEP20はBNB Chain上のテザー規格で、すでに3,500万を超える保有者に選ばれています。USDT SPLはソラナネットワーク上のテザーのトークン規格で、保有者は400万を超えます。以下では、それぞれの主な特徴を見ていきます。

メリット

  • 低い手数料:どちらのネットワークでも、取引手数料は通常0.1ドル未満です。

  • スピード:これらのネットワークでの取引は数秒で完了するため、オンラインでの買い物の支払いから、USDTをほかのトークンへ素早くスワップする場面まで、日常的な用途に便利です。たとえばUSDT SPLはTRUMPやPENGUといったミームコインへ簡単にスワップでき、USDT BEP20はBNBやETHへ交換できます。

デメリット

  • 流動性の低さ:一部のプラットフォームでは取引量が小さくなることがあり、大口のスワップが常に最良の価格で成立するとは限りません。

  • 技術的な問題:ソラナでは停止が起きることがあり、取引の遅延につながる場合があります。

トークン規格とは、トークンがどのように作られ、どのように動作するかを定めたブロックチェーン内のルールの集まりです。このルールのおかげで、トークンはウォレットや取引所、スマートコントラクトと互換性を持ちます。

以下の比較では、ここまで挙げたブロックチェーンの主な特徴を示しています。見比べることで、自分のニーズに合ったUSDTのネットワークがどれかを判断できます。

USDTに最適なネットワーク:人気の選択肢であるトロン(TRC20)、イーサリアム(ERC20)、BNB Chain(BEP20)、ソラナ(SPL)の比較 USDTに最適なネットワーク:人気の選択肢であるトロン(TRC20)、イーサリアム(ERC20)、BNB Chain(BEP20)、ソラナ(SPL)の比較

USDTのネットワークの選び方とは?

ネットワークにはそれぞれ長所と短所があります。スピードを最も重視する人もいれば、低い手数料やセキュリティを優先する人もいます。選びやすくなるよう、USDTにどのネットワークを使うか決める前に確認しておきたい要素をまとめました。

  1. 人気と使いやすさ:対応の広いネットワークほど、日常のニーズでUSDTを使いやすくなります。なかでもUSDT TRC20は際立っており、ほぼどこでも受け入れられるため、最も一般的で使いやすい規格となっています。

  2. ウォレットの種類:まずテザーをどのように保管するつもりかを考えましょう。カストディアルサービス(プラットフォームがUSDTへのアクセスを管理する形態)では、取引手数料は通常固定で、プラットフォームのルールに従います。ノンカストディアルウォレット(鍵を持ちUSDTを管理するのは自分だけの形態)では、ブロックチェーンのネイティブトークン(TRX、ETH、SOL、BNBなど)で「市場」に応じた手数料を支払います。

  3. ネットワークのセキュリティ:USDTを保管する予定のネットワークが信頼できるかを確かめましょう。イーサリアムとトロンは安定しているとされていますが、ネットワーク停止の履歴を確認しておく価値はあります。

  4. 取引手数料:送金のコストを考慮しましょう。トロンの手数料はTRXの価格に連動しており、ほかのネットワークより高くなることがあります。一方でソラナやBNB Chainは、より安価な選択肢になることが多いです。

  5. 取引の速度:送金がどれくらい速く処理されるかを確認しましょう。ほぼ瞬時に完了するネットワークもあれば、遅延が生じ得るネットワークもあります。

  6. ウォレットの対応状況:使っているウォレットが選んだネットワークに対応していることが重要です。複数のUSDT規格(ERC20、TRC20、BEP20、SPLなど)に対応していれば、スワップや送金がさらに手軽になります。

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